銀丸のミャンマー旅行記
1999年2月15日〜2月19日

●前日談

以前にミャンマーに旅行したことがある、という人からのアドバイスを受け、シンガポールでビーチサンダルと懐中電灯を購入。
そのアドバイスは正しかったと、ミャンマー滞在中に痛感することになります…。

●1日目(2月15日)

シンガポールからミャンマーエアーのプロペラ機に乗ってミャンマーへ。
ジャンボジェットに乗りなれた身にはちょっと不安が…(^^;)でも一昨年カンボジアに行ったときもこんな感じだったかな。
飛行機で2時間。シンガポールとの時差は1時間半、日本との時差は2時間半です。
宿泊は首都ヤンゴン。ホテルに到着してから夕食までの間、ホテルの近くにあるシュエダゴォンパゴダへ。
ホテルのすぐ横には人民公園があったのですが、銃を持った軍服姿のお兄ちゃん達が入口あたりに立っていました。
車道では車の流れを止めて、軍部の偉い人が乗った車を先に通してたり。
その辺に違和感を感じてしまう私は、やっぱり平和慣れした日本人なんだと思います。
これは東口にある礼拝堂。正門は南口なんだけど、ホテルから歩いてきてまずここに入ってきてしまったのでした。
じゃあ南口の写真は?というと…撮ってない(爆)
このパゴダ、とにかく大きい(でも現在補修中)。ようやく南口を見つけてビーチサンダルの意味を実感…。
パゴダと言うのは、日本語で言うなら寺院というところ。ここでは神仏に敬意を表するため、土足厳禁。靴下もダメです。
つまり、これからミャンマー内を旅行する間、とにかくパゴダを回ることになるので、いちいち靴を脱ぐのは大変だからビーチサンダルをはくわけですね!
ミャンマー人はほとんどの人がサンダル履き。
道行く人々も、タクシーの運転手も、レストランの従業員も…サンダル履きでパゴダを訪れては入り口でさっと脱いで入り、お参りしていくのです。

パゴダに入ると、現地の男の子がUS10$でパゴダを案内してあげるよ、と声をかけてきました。夕食まで時間は少ないし…でも、案内はあったほうが面白いかな、ってことで値切って案内してもらいました(笑)
彼は大学生。でも大学が閉鎖されているので、こうやって英語を勉強しているのだとか(ついでに、外貨も稼げるしね)。
ミャンマーで聞く英語は、早口でもないし、難しい言葉も使ってないので会話は楽。…かと思いきや、妙なイントネーションで聞き取りにくい。
単語を何度も聞き返して、意味や発音からアタリをつけて会話していくのです。これはこれで面白いけど(笑)
それに説明している内容も、寺院だし当然仏教に関係した話が多い。日本人は仏教に親しんでるから、日本語に仏教用語がいっぱいあるけれど、英語を聞いていちいちそれに置きかえる必要があるわけです。
まあでも。日本語の持つ雰囲気とはちょっと違ってたりもするから、これはあまり問題なさそうではあります。
たとえばストゥーパ。これは日本では「卒塔婆」と呼ばれていますが、お墓の横に立っている木の板になってしまっています。東南アジアではストゥーパと言うと、塔のようなもの。大きいものから小さいものまであります。大きいものだとパゴダかと見間違うくらい。

パゴダの周りをぐる〜っと回りながら、「曜日の神様にご挨拶しましょう」とガイド君は言ったのでした。
ミャンマーでは一般的な(他の国は知らないけど…)信仰で、8つの曜日(水曜日が午前と午後に分かれる)それぞれに、動物の神様がいて、人々は自分が生まれた曜日の神様にお参りするのだそうです。
パゴダの周囲の決まった方角にそれぞれ決まった神様の像が置いてあります。
さあ、ここから聞き取りにくいミャンマー訛り英語の本領発揮(笑)
「これは日曜日の神様…」「…なに?らぅ?らっと?…あ。rat?ねずみね?」
「こっちはいでぁんぺぐ…」「…??えーと…indian pigかな…猪でいいの?」というぐあいで…(^^;)
ちなみにこの「猪」…この後他のパゴダで中国語の説明を読む機会があり、そこには「土龍」と…。も、もぐらか…?日本語のガイドブックも見たけど…忘れた(爆)どっちが正しいのやら。

さて、私は木曜日生まれ。「木曜日の神様はking of birds…」
なんじゃそりゃ。と像をよく見ると、…おや?あれはカンボジアで見た覚えが…「…ガルーダ?」「いぇす!ガルーダ!」

ガルーダっていうのは半人鳥みたいな神様で、上半身が人間で下半身は鳥。この写真は別のパゴダにあった像だけど。日本ではなんて言ったかな。伽楼羅かな?

ガイド君に別れを告げ、暗くなった道をホテルへと帰ります。
この道が、暗い。
街灯はあるけれどついていないものがあったり、感覚が広かったり、塀の内側を照らしてたり…とにかくあまり役に立ちません(爆)
懐中電灯はこのためにあるのか、と思ったのですが…甘い。この程度ではすみません。理由は3日目に分かります…。

ホテルの車でレストランへ。ここはミャンマーの伝統的な踊りを見せてくれます。…しかしなぜか最後にはお姉さんがセパタクローを…な、なぜ…。
踊り自体はタイに雰囲気が似てるけど、踊りの曲は音階が沖縄に似ています。英語で説明を入れてくれるともっと良かったんですが(^^;)
ここで踊っていたお兄さん達のひとりが、妙にスタイルや動きが艶かしい…それを見て母御が一言「イザムみたい…」
…おいおい。

メニューはカレー。チキンとポークとマトンと魚のカレーをそれぞれ一皿ずつ頼んで食べたのでした。どれもあまり辛くなくて脂っこくて、チキンとマトンが美味。
私はビールは飲まないので「ソフトドリンクは何があるの?」と聞くと、「コカコーラと7upとサントリーとポッカ…」
…おいおい。

●2日目(2月16日)

ホテルの車を一台借りて(運転手兼ガイド付き)ヤンゴン近郊のパゴダを回ります。バゴー(ぺグー)へ。
高速道路に出るとだだっ広い田園地帯が広がります。道端には白と金のパゴダがぽつぽつと立ち、時折牛とか犬が適当に歩いてたりもします(笑)
白の上着に緑のロンヂーを来て歩いているのは高校生までの子供達。
ロンヂーというのは、ミャンマーの民族衣装。筒状の布で、所謂巻きスカートのようなものです。男女とも同じものを着るのですが、女物はタンメイと呼ばれ、男女で結び方が違います。
とにかくミャンマー人はロンヂーをはいている割合がとても高く、制服や少数民族の衣装などを抜かせばほとんどの人が着ています。
上衣はエンヂーといいますが、こちらはYシャツやTシャツなど、適当に着ているようです。

現在でも参拝者が多く整備のきちんとしているパゴダや、観光地として大きなパゴダではカメラの撮影料が取られます。払うと、そこのパゴダの写真が印刷されたタグをつけてくれるので、集めてみるのもいいかもしれません(笑)
有名な寝釈迦仏を見にいき、その大きさに圧倒。
これはその足の裏ね(笑)右下の方にある黒いのは人間の頭です。
お釈迦様の足の裏、またお釈迦様の足跡は大概小さな四角に区切られていて、108つのシンボルが書いてあります。これも、よく見ると真中の丸い部分がたくさんの部屋に区切られて、いろいろなシンボルが描かれてますよね。
 描かれているのものを覚えてるわけではありませんけど、お寺のようなものとか、8つの川、虎、孔雀、建物などなど…ガルーダもありました。

昼食は小さな中華料理屋さんで。ここでも「コカコーラと7upとサントリーとポッカ…」会社名で通じちゃうほど流通している種類が少ないということでしょうか?
ちなみに、サントリーは炭酸オレンジ飲料、ポッカはライチジュースらしい。

夕食の前にマーケットに行きたかったのですが、5時で閉まってしまうとのこと…間に合いませんでした(泣)
運転手兼ガイドさん曰く「でもお店にはつれていってあげます。親戚が経営してるんです、いいところですよ。見るだけでいいですから」
こうやってお土産屋さんに連れて行くわけですね…。
こういうお土産屋さんは、宝石を買うなら政府の認可があるので良いのですが、小物を買うにはやはり高いのであまり向きません。

夕食は豪華な水上レストラン。ここでも伝統舞踊を見せてくれるということなのですが、舞台まで遠くて全然見えませんでした(TT)
しかも今度は曲が中華風なのです…あう〜(ーー;)
ミャンマーの伝統文化って、なんぞや。

●3日目(2月17日)

ええと。ここからは、だいぶ日にちが経っています。っていうか、1年経っています(爆)
思いだし思いだし書いているのでだいぶあやふやです。フォルダ整理してたら出てきたので、捨てるのも勿体無し。とりあえず最後まで書いてUPします。

で、3日目。バガンに移動。
ここは古い町で、とにかく遺跡がいっぱいあります。遺跡だけの観光名所です。要するに、ヤンゴンに較べるとド田舎。
でも私なんかには、ヤンゴンより面白いです。とにかく遺跡だらけでホテルの庭にまで遺跡があります。
遺跡と言っても、要はパゴダなんですが。それぞれにエピソードが色々あるらしいです。運転手兼ガイドさんに聞きながら回ります。ある程度までは補修しているらしいですが、数が多いので全部は無理でしょうね。
パゴダはものによっては2階があったりするのですが、なんでも数年前から遺跡保存のため登れなくなってしまったんだそうで。残念。
そういえばシュエダゴォンパゴダで「上に登ってみますか?でも女の人はダメ」って言われました。
女人禁制がまだまだ生きてる国。でも補修中だったので男性も登れなかったよ。へへん。

遺跡でもパゴダはパゴダ。ここでももちろん履物は脱いで入ります。
パゴダによっては、明かりとりの窓が全然無いです。入り口で蝋燭を貸してくれたりもするんですが、おかげで壁が煤だらけになっていたりするので、そのうち禁止されるんじゃないかな。それで懐中電灯が大活躍ですよ!
これが懐中電灯の意味だったって?甘い。まだまだです。

そうそう、ガイドさんは午後でね。この日午前中はホテルで自転車を借りて近くのパゴダを回ったですよ。が、この自転車がスゴイ。まず乗れない。ボロい。サドル高すぎ。メイド・イン・チャイナらしいんですがね。何台も試してみてやっと乗れるのを見つけ、ちゃりちゃりこぎます。ブレーキ利かないです。怖いってば。

パガンはとにかく遺跡だらけ。はじめに近場のパゴダの上のほうに登り、思わず一言「パゴダが生えてる…」そう、きのこのように。
午後は気さくなガイドさんと一緒に遺跡を回ります。最後にガイドさんに住所のメモをもらいましたが、住所が遺跡でした…。そこで奥さんがお土産物屋さんをしているんですが。いいのかなぁ??

印象的だったのはナツラァウン寺院。パガンに唯一残るヒンドゥー寺院です。他は全て仏教寺院なので、遺跡とはいえ参拝する人もまだいます。お供え物もありますし、境内はキレイに保たれています。でも信仰する者もないヒンドゥー寺院は、荒れ放題。あれほど宗教的には近いものを持っていながら、信仰の違いというのはこんなにも差が出るものなのかと実感しました。打ち捨てられた古い信仰はなんだか物悲しく、でもこの忘れっぽさが人間の強さでもあるのでしょう。

あ、そうそう、懐中電灯でしたか。それはホテルにいる間、いきなりの停電。ミャンマーはまだ電力供給が安定していなくて、停電がしょっちゅうなんです。トイレに行くにも全然見えやしない。そこで懐中電灯なんですね。ミャンマーに行くなら忘れてはならないもの。そういうことだったわけです。
ちなみにこのホテルでは伝統芸能の人形劇を見せてくれるらしいんですが、これも遠くて全然見えなかったです。「伝統芸能?なんか…もう、いいや」ってカンジ。

●4日目(2月18日)

ミャンマーって言うと、代表的なお土産は木彫りの漆細工だそうです。
昨日のガイドさんにその工場まで連れて行ってもらいます。工場と言っても、そんなに広くない部屋で板を彫っている人、染めている人などがいる程度なのですが。しかし職人さんは若い女性が多いです。そしてむちゃくちゃ器用です。なにってその彫り物の技術が。細かい模様をキレイに彫っていく。ガイドなんてあるんだかないんだかで、もうちょっと材質さえ良ければ工芸品としてもっと評価高いんじゃなかろうか。

昼食を食べたレストラン(停電してた…)の脇に、煙草屋さんがありました。この煙草、くるくると巻いた細長い葉巻みたいなものです。兄上が買って、ホテルで試してみましたが「きっつー…」だそうで。

ところで、こういうところを回るんなら余計な装飾品は×です。遺跡で小さな子供が「お菓子ちょうだい、ペンをちょうだい」って寄ってきます。化粧でもしていようものなら「口紅ちょうだい」って言ってきます。「日本人は金持ち」信仰は根強くて、そんなことないよと言いたいところですが、日本人は確かに生活水準は高いです。物価も高いし比較対象が国内、あるいは先進国だけだからそう思わないだけで。
「勉強したいから、ペンが欲しい」って言われればついあげたくなりますが、私はこういう時絶対にあげません。キリがないから。一人に何かあげようものなら、その辺りにいた子供たちみんな寄ってきますよ。私は日本人であの子たちにとっては金持ちだけど、あの子たち皆に施しを授けられるほどじゃない。なにが偽善でなにが最上の手段なのか、私にはまだわからない。でも、外国に出てブランド物を買い漁り、アジアでは宝石を買い漁る。貪欲かと思えば無防備で。卑屈かと思えば傲慢で。日本人は不可解。たかられても白い目で見られても仕方がないのかも。
そんななか、遺跡で葉書を売ってお金を稼いでいた地元の子。人懐こくて色々教えてくれて、別に私はお金も何もあげなかったのに、香りの良い草と花を髪に挿してくれました。頬の白いのは、タナカといって女性の化粧品。日焼けや肌荒れを防ぐ効果があるらしい。安いのでお土産に買ってもいいかも。買ったところで使い道はないんだけど…(笑)

午後はヤンゴンに戻り、今度こそマーケットを覗く!私は地元の生活臭漂うマーケットが大好き。
手前にある緑色の丸いの、なんだと思います?実はこれ、茄子ですよナス!!どんな料理になるのかなぁ。このマーケットでお土産をいくつか買いました。私が買ったのはタナカと木彫りのボールペン。写真は食料品売り場だから雑然としているけど、その他のお土産とか衣料品とかを売っているところはもうちょっときれいです。

大都市は車も多いけど、見ていて楽しいです。日本から古くなった車をたくさん輸入しているらしいですが、塗装とかそのまんまで乗っているので街中を「西○バス」とか「亀○製菓」が走っていたります(笑)

ガイドさんを雇うと、大体その人が懇意にしているお土産やさんに連れて行かれます。よくできてるね。日本人観光客が増えたのか、観光地のお土産屋さんは片言の日本語を話す人も多いです。でも「あなたたち英語を話してくれるから楽だわ」って言われました。日本人、英語が分からないわけじゃないのよ。話さないだけなの。
父上たちがタイで雇った日本語ガイドさんは、日本語「話せる」ってだけだったらしいです。下手な日本語ガイドを雇うより、きちんと知識のある英語ガイドさんを雇ったほうが良いかもしれませんよ?大丈夫、簡単な英語で通じるから。ボられないように気をつけてね。
カンボジアでも言われたことだけど、軍事政権下の国は犯罪率は低いらしいです。とはいえ、やっぱりあんまり無防備なのはダメですけどね。

夕食はヤンゴン市内の高級ホテルのレストランで。あ、別にこのホテルに泊まったってわけではなくて。私はもっと値段の安いお店でも良かったんだけどなぁ…ま、でもミャンマー料理でこれは!と思うものには結局当たらなかったので、無難なところに収まったと言えましょう。ただ納得がいかなかったのは、ここで飲んだフレッシュジュースが原因でお腹を痛くしたこと。この旅行中で一番高級なところで食べたのに〜…。

●後日談

さてさて、これで旅行記も終わりです。
後日談としては、写真を現像しに近所の写真屋さんに行ったことくらいですが。受け取りに行ったら、そこのご主人に「これ…どこの写真ですか?」って訊かれました。ご主人はアジアの色んな所を回っているそうですが、ミャンマーは行っていないらしいです。
「こんな若い娘さんだったとは思いませんでした」とも言われました。確かに若い娘さんがたはあんまりミャンマーなんて行かないでしょう(苦笑)私だって色々事情が重なっていたからミャンマーになったのであって。
ここまで読んでくださってありがとうございました。旅行記と言いつつ、ガイドには全然なっていません。観光地はガイドブックを見れば書いてあるしね。
貴重な体験として何かが残ればいいな、と思って書いただけなので、あとは読んでくださった皆様がご自分で調べて、楽しい旅行を体験してください。

旅行中頼もしいガイドになってくれたのは、ダイヤモンド社の「地球の歩き方」です。読むだけでも楽しいですよ。

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